笑うという事

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 90年代の終わりの8月に国際指圧セミナーがペルーのリマで開催されました。久しぶりに浪越徳治朗先生にお会いする機会を得ました。SHIATSUの世界では先生はレジェンダそのものです(たけしの番組やバラエテー番組ではヒョーキンおじいさんのように見えまましたが)。93才にもかかわらず長旅もなんのその、あの全身からみなぎるエネルギーは健在でした。(しかし帰国後足を骨折して寝たきりが長引きペルーが最後の旅になりました。)
ペルーでの先生の講義のテーマは、指圧における自己健康法でした。お腹から発する張りのある声で一時間の講義もあっという間に終わらせ、さすがの名話術は健在でした。お腹の指圧に、お腹から声を出して笑うという先生が毎日実践している健康法でした。
 怒るということは、体を緊張させることです。身体を緊張させるということは、自律神経のアンバランスを生じさせる根源です。百害あって一利なしなのは誰もが認めるところです。反対に笑うと言うことは皺が増えると言ってしかめっつらのご婦人もいらっしゃいますが、他人にも笑いの波動を生じさせて最終的には幸福をもたらすものです。ドーパミンの花が咲くのです。車のクラクションを使用する前に2,3 回深呼吸をしてニコッと笑うのはどうですか。。部下が何か失敗しても笑って上司の器の大きさを見せてやりましょう。息を長くして長生きにつなげましょう。解剖学的にみても笑うことは横隔膜の上下運動を誘発して諸内臓を上下、左右にマッサージします。このマッサージは、内臓器官を弾力のある活動的な作用を維持させる働きがあります。
笑うという事と、声をお腹から出すと言うことは間接的には腹式呼吸を意味します。長生き(長息)につながります。カラオケもお腹から声を出して歌う、これもれっきとした健康法の一つです。お腹の自己指圧は寝る前、そして朝起きてすぐにベッドから離れずに半分居眠り状態で時間にして10分間ぐらい、ひらがなの の を書くようにお腹全体を両手の四指で呼吸に合わせてゆっくり、ゆっくり指圧をします。指圧をして圧痛があるポイントは何回も何回も繰り返しSHIATSUをします。初めに圧痛のあったポイントが薄紙をはがすように徐々に消えて行きます。お腹を指圧すると血液が足の指先まで流れてゆくのが毎日の自己SHIATSUで感じられるようになります。継続は力です。毎日毎日、一日3回ごはんをいただく様に、そして毎日寝る前に歯を磨くように継続します。人間が生まれてから死ぬまで一秒の休みもなく心臓は、肺は、腎臓は働き続けています。内蔵の一生の耐久期間、人間の一生の心臓拍動数は決まっていると言われています。少しでもその耐久期間を全うさせるため、回復力を高めるために、ご苦労さんと感謝をしながら自己指圧をします。
東洋医学では表裏一体と言い、背中が硬い人はお腹も硬い、お腹(内臓)のどこかに問題のある人は必ず背中に反射して硬結(内臓対壁反射)として現れるという理論があります。またお腹はすべてのツボが集中している部位で、触診してどこが悪いか診断できる場所でもあります。按腹(あんぷく)術と言われて大変むずかしいテクニックです。
良く患者さんに触って悪いところがわかりますか、と聞かれます。一人の患者さんに対して約一時間の施術です。全神経を集中しての施術です。触診を忘れて、検査と薬がすべての内科医よりは、私たちのプロの経験による勘の方が優れていると私は思っています。これは20年以上の経験持つ指圧師なら常識ですが、医者は神様ですので、その辺のお答えはフニャフニャにしておきましょう。あなただって勘をちょっと磨けば、自分の身体の悲鳴や死期位は感じられますよ。
 中国人の典型的な健康体のタイプは布袋様のようにぷっくりと下っ腹が出ているタイプです。反対にプロのスポーツ選手の鍛えに鍛えたお腹は、一切の脂肪の無い板チョコです。このタイプの有名選手が現役引退後意外に短命だったりして、この辺のスポーツをする人は健康体のうそつき伝説が生まれたお話はまたの機会にゆっくりしたいと思います。
 最後に、お腹のツボで超有名な2ポイントを教えましょう。圧してまったく反対の反応を現わすツボです。一番目のツボはまさに鳩尾のツボです。このツボは、心臓及び感情を安定させるツボです。ここが詰まると息が浅く、イライラ感を生じさせます。また体の健康度を知る重要なポイントです。この部分はいつも虚の状態が理想です。すなわちSHIATSUをすると指が入りこむくらい柔らかく硬さのまっいたくない状態がベストです。しかしほとんどの人がこの部分を硬く(硬縮)させています。硬いという事は、体がストレスで充満しているということです。
 二番目のツボは、へそ下3寸、俗に丹田と言われるポイントです。このポイントは健康体の人は圧すると跳ね返るような中に何かを感じるところ(気が生まれ、貯蔵されるところ)です。鳩尾の虚に対して実の部位です。健康でストレスの無い、気に満ちた人は鳩尾(虚)は柔らかく丹田(実)は張りのある硬さあるのが理想な腹です。この部分をいつもSHIATSUをして健康で生きぬき(息抜き)ましょう。そして全てを笑いで解決。悲しすぎると泣くことを忘れて笑うんだそうです。笑いは、人をhappyにします。今日から無理してわらっちゃいましょう。

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