自然治癒力と痛み

ここ二、三年正坐が出来なくて、もっぱらベッドでの治療、また指圧教室でもベッドにて大方教えていました。真向法の正坐にて後ろに沿って大腿４頭筋をいじめるあの姿勢が、できなくなって、真向法のインストラクターの通信講座を受けていた私は、少々,がっかり病に掛かっていました。そんなこともありヤバイぞ、ヤバイぞと思っていた私に、案の定、神様は今年の６月の初めから試練を与えたのでした。

　ヤバイぞが的中、右膝のお皿の下部から炎症の兆候が出てきたのでした。日を追うごとに腫れがひどくなり、びっこを引きながらの日々が続きました、。もう駄目のkoの症状で、いつものおばさん先生のクリニックに直行です。初めは、痛風の発作を疑いましたが、ここ２，３年薬でコントロールしているので、痛風の発作でもなさそうです。そんなこともあり、最終的に右膝を最新鋭の機械で検査すると半月板断裂、大腿４頭筋の停止部の慢性炎症、まあ４段階に分けると最悪の４と診断されました。
　若いころのへぼ野球のスライデング、高校から少林寺を習っていた時期の投げ技での膝への酷使、そして何より、３０年に及ぶベッド治療での腰の負担を防ぐ(腰の固定）ために両膝をベッドのサイドに当てて上半身の体重を膝にかけて施術をする姿勢によるストレスのツケとして帰ってきたのでした。それじゃ、一様リハビリをして、それでだめなら手術をしましょうと言うことで当指圧センター近くの専門クリニックに毎日磁気治療に行くことになりました。ベッドに転がって膝をドームに入れて何も感じない治療を毎日３０分です。磁気治療の良しあしはさておき、これを通過しないと、保険治療ですので、前に進まないのです。最終段階、手術までの道は長いのです。
　マー私も治療師です。重要ツボへの指圧治療、イトーテルミー、スタッフによる鍼治療、毎日続けました。そして１０日ほど過ぎたころに痛みが消え出し、やったと思った数日後、今度は、反対の左膝が腫れあがりだしました。右膝の痛みがなくなり、一安心したら今度は左が痛くなりました。そしてまた、１０日もすると左の膝の炎症が引き一安心です。おッとっとっと、所が今度は、左の足首が腫れあがりだしました。なんやかんやで６月の初めから９月の一週目ぐらいまで、痛みが、あっちに行ったりこっちに行ったりで、苦しみましたが、今はどうにか落ち付きました。その３か月間、ふとある時期から、部分治療をやめて、週に３回スタッフに全身指圧治療をしてもらいました。特にお腹を時間を掛けて施術してもらいました。開き直り作戦です。
　リハビリは、手術の道を残すために毎日行きましたが、磁気治療が良かったとは、１パーセントも思っていません。まあー、担当の医者は、磁気治療が痛みを取ったと思っていますが。今後は、ジムに通い、ストレッチと諸筋肉の若干の強化をして現状維持に努めようと思っています。
　今迄の私のつたない臨床経験で、特に腰痛は、最悪のヘルニア突出、坐骨神経痛であっても、長い目で見た手技療法の全体治療で普通の生活をゲットできるという確信があります。これは治療師と患者さんの信頼関係があってのことですが。また膝の治療でさえもプロのスポーツ選手はともかくとして、体のバランスを取ることで少なくとも痛みは取るという治療師の意地と確信はあります。人間の体は、不快から快に導く自然治癒力があるということは長年、患者さんと接触している職人の信念です。
　手技療法は、意外に意外に寿命を全うさせる一番の予防医学だという一席でした。御後がよろしい様で。今日はこのへんでジャンジャン。