医者と金の微妙な関係

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 娘が、バングラデッシュから帰ってきました。一様任務が終了ということで、解散と同時に失業者になって帰ってきたわけです。国境のない医師団という組織のメンバーとしてミャンマー(ビルマ)とバングラデッシュの国境の難民非難所で小児科医として勤務してきたのでした。

この家族の会話は、どうだった。疲れた。危なかったか。家から出なかったから。飯はどうだった。朝いた鶏が、夕方いなくなっていたからそれ食べちゃったみたい。暑かったか。雨がねー。本当にこの程度の会話で終わってしまうのでした。これからどうすんだい。ちょっと休んで、夜勤の誰もやりたがらない時間帯の勤務でもして、次の所を選ぼうかなー。マー適当にな。これでおしまいです。
 嫁さんは、冗談じゃないわよ。せっかく医者になってフラフラしてたんじゃしょうがないじゃないと,少々きりきりなのですが、子供が好きで、15歳の頃から医者になると言っていたんだから好きなようにやればいいさが、親父の意見なのでした。
 実際、日本の場合、医者の学校に入って一人前になるには、1億円はないとの世界ですので、医者になったら今までの投資資金の回収を考えるのが当たり前であって、汚い野郎が、医者の中に出てくるのも致し方ない状況が日本です。国立大学の医学部に入るには、確かに頭が半端じゃないと入れないし、逆にいうと貧乏人が医者になる道は、国立しかない訳です。私立の大学の医学部は半端じゃない金が必要な国が日本です。金に汚い医者のイメージがこの第一歩から始まる日本の現状は当分変わらないみたいです。
 スペインは大学は国立が一般的です。まだまだホワイトカラーとブルーカラーの階級差がある国ですので、国立の大学を出てマスターを取得してネクタイ族に仲間入りが、まだまだかっこいい生き方のようです。この頃は、自動車のメカや水回りの仕事のほうが、よっぽど金がもうかることが分かったようで、、ブルーカラー族も金オンリーの考え方を選べば、いい暮らしができてるようです。
 スペインの医者は,国立大学出がほとんどです。私立出の医者は、この国では3流のレッテルが貼られ気味で、アメリカに行き、美容整形に走る輩が多いみたいです。そんなわけで、美容整形はアメリカ仕込みが多く、医者仲間では、やはりレベルの落ちる医師が集まるセクションとみられがちの様です。うちの娘なんかは、美容整形医は、金儲けの商売人と言い切っています。
 娘が国立の医学部ということで、確かあの頃1年の総払込金は、15万円ぐらいだったと思います。計10年の勉強でやっと医師になっても、病院のお給料は、イギリスやドイツの3分の1ですので、少なくてもスペインの医師で、金持ちを夢見て医者になるという根性の学生は少ないみたいです。ただ、眼科医、などは、白内障の手術等のお陰で、大分儲かるようです。貧乏南米医学生は、眼科医の勉強をして自国に帰り、お金を儲けるのだそうです。
その上、小児科は、ほかの器具屋や薬屋との癒着も少なく、スポンサーもネッスルのミルク位とのことでした。金のかかるスキャナーや検査器具を使用するセクション、そして薬屋との癒着は確かにあるそうですが、カリブ海の旅とか若干の優遇で、御殿がたつ癒着は少ないようです。
 学生たちも金が掛かっていない分、親御さんへのお返しもなく、結構奉仕同然の仕事を引き受ける医者もいるようです。その辺が、日本の医者のイメージと全然違います。国境のない医師団には、世界中の国からもの好きが来ているようですが、アメリカ人医師は皆無だそうです。日本人医師ももお金回収作業で忙しいのか皆無とのこと、奉仕で参加すると認められる国がヨーロッパです。この辺が、ヨーロッパとアメリカの決定的な違いです。トランプを許す国が悲しいかなアメリカなのです。
 日本の海外青年協力隊の任期終了後の悲惨なる就職状況の実態同様、医者の世界も日本は厳しい状況なんだと思います。ただ日本のバラエティー番組に出てくる医者女、どうにかしてほしと思うのは私だけでしょうか。弁護士然りです。元官僚のコメンターみんなセミプロ金欲しさ丸出しで、勘弁してくださいコールです。
 プロは自分の職業を全うしろって。この辺のプロ意識は、スペイン人は、大人の感覚ですね。プロに徹する、自分のテリトリーで頑張るこれがヨーロッパの常識です。

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