今年最後の出張で、朝一番のイベリアでローマに行ってきました。8時40分の飛行機で霧の中をまっしぐら2時間で到着です。出迎えは、パウラ先生、長年のお付き合いです。運転役がロベルト先生、この先生も30年選手の指圧師、76歳でまだまだ現役です。イタリアのローマは指圧が盛んで、浪越、増永、大橋、なんだかわからないグループとマー、入り混じってみんな好き勝手にやっています。
イタリア税務署の統計では、表で働いている数が2000人で、税金を払っていない裏ちゃんを数えれば、5000人以上のイタリア人が指圧という言葉に酔っているのが、まさにイタリアの首都ロ―マなのでした。その他に今日の会合には、メリーさんがいます。この先生も30年指圧師として張っている姉御で、これまたイタリアの指圧界では、チョット、名の知れた指圧師なのでした。
もう一人の大御所がアルベルト先生で、この先生も生粋の徳治郎先生の熱狂的なファンで、この先生のグループも一癖も二癖もある、骨のある指圧師が仰山いて個人的には、このグル―プといるときが、一番ストレスのかからない訳で、まさにアミーゴ(お友達)軍団なのでした。このイタリアの同盟軍団との会合は、毎年年末に集合をかけて実現するのでした。要は、顔見世興行のようなもので、みんな元気か、の合言葉のもと飯を食べるグループの集まりなのでした。
今回は、こんな年末でなくてもいいのにを、押し切ってきたのでした。予感というものは、実に毎日を今日でおしまいと思いつつ、走りきると、妙に胸騒ぎを感じることがありまして、今回もそんな感じの来ローマなのでした。当たりましたね。まずメリーさん。メリーさの連れが、2週間前、お亡くなりになったのことで、悲しみを隠しての会合でした。来てよかったの一言です。ロベルト先生、途中で退場、実は腸捻転で苦しんだのが、1週間前、今日も調子がイマイチで、帰れの優しい一言で、退場,後談になりますが、家に帰っても、もやもやで救急車で緊急で病院に直行。最後にアルベルト先生、夏にあって以来の再会、顔を見てびっくりケロイド状の引きつりが目立つこと目立つこと、実は、のどに嚥下時の痛みが伴い、検査すると癌とのこと、手術が超危険な部位ということで、放射線治療が2週間前から始まったということで、言葉に窮して思わず絶句。行かなくちゃの勘がズバリ当たったローマの弾丸旅行なのでした。
実際、指圧の仕事は、患者が治療師より元気な奴はいない訳で、結構負のエネルギーを受けやすいのでした。このことを信じる信じないは、ご勝手にで、どっちでもいいわけで、生きるために支障はないわけです。ただ35年もこの仕事やってると、がん患者さんを指圧してみなさい。一日中、瞑眩で悩まされますよ。結構、真剣にやると受けちゃう患者さんが結構いる訳です。性格的に適当な気分に切り変えられるモードがない先生は、短命です。真面目過ぎる奴は、医療関係のこんな商売は、向いてません。真面目な奴で,円形脱毛症の指圧師をずいぶん知っています。
みんな、指圧を普及に日々戦ったメンバーです。同期の桜です。皆ぼろぼろの老兵になっても、好きな仕事に出会った喜びを糧として生きてる同志に、ローマでの再会を終えて、その日の夜マドリッドにリターン。誠に今日を生き延びたとはこのことと一人微笑む自分に乾杯。