知人に歯医者がいて、帰国するたびに居酒屋で一杯が、いつものパターンなんだけど、その時にだべるのが、日本の歯医者とスペインの歯医者の違いなんだけど、日本のハイテクから言うとインプラントが主流なはずなのにそうでもないらしい。もちろん日本の保険外の診療は、べらぼうに高いのでその点もあるんだろうけど、バンバンインプラントが普及しているかというとそうでもないらしい。彼は、一言、結構危ないんだよね。で一件落着なのでした。
私も、診療所が同じ建物ということで、コロンビア人の歯医者にいつも任せてたんだけど、インプラントを奥歯の2つをしてもらい、嚙み心地満点なんて興に入っていると2か月ぐらいすると弛んでくるのです。奥歯が、モノを噛むたびに弛み感を認識なんて、やぶ野郎と罵りたくなる自分なのでした。安いか、高いかは知りませんが、日本円で30万円位は、したと思います。私の患者で,たまたま歯医者がいて聞いてみると、同業者の悪口は、ご法度です。奥歯で毎回,カムんだから弛みもしますね。のあいまいな回答。金払って2か月も持たないんじゃ、と不機嫌になりながらも愛想笑いの自分なのでした。
実際前面の歯が、完璧でも、いざ笑うと奥歯の空間が見えてしまい、奥歯のないスマイルは、貧乏ぽいですよね。結構チョコっとしたところの手抜きは、目立つものなのです。
そんなこともあり、高いけどいい治療をすると評判の歯医者に鞍替えしたのでした。以前の歯医者に同じ建物なもんでよく合うんです。この時の挨拶の白々しさ、目線がビンビンに眼たれ合戦です。私の結論から言うと、もちろんベテランの際立ったプロの経験は、大事ですが、若い医者の知識の吸収力、この辺も考慮して医者を選ばないと、レトロ医者程、最新のテクニックを放棄して、頭が固いというよりもう頭にもう新しい知識を入れない医者が、いるのでこの辺は、気を付けなければなりません。
ということで,歯医者を変えてインプラント治療に望んだのでした。こちらスペインは、以前は、消化器関係の医者が、歯医者をしていましたが、歯医者の養成学校が、できて、歯医者という専門職が生まれました。医者兼歯医者が、オペができるらしいのですが、そのへんの違いは、私たちはよくわからず、何しろ、歯医者だらけの街並みになったのは、確かなようです。昔は、街を歩くと薬局、バー、弁護士事務所が目立つ、マドリッドでした。しかし今では、歯医者、中国人のドラッグストア、不動産屋が目立つマドリッドに豹変したのでした。
歯医者が言うには、骨にねじを埋め込むにあたり、骨の層が薄いので、骨の層を厚くする工程しましょうということで、麻酔をかけてオペが始まったのでした。ガンガン骨を削っているのは、わかるんだけど何しろ麻酔をかけているんで、やられてる予感だけ、1時間半のガンガンが終わって縫ってるんだろうけど、手順がイマイチの予感、それでもお願いしたら、信じるしかないだろうの方針でオペ終了。抗生物質、痛み止めを薬局で買って、よせばいいのに午後、仕事をして力んだのがわるかったのかなー 。夜、寝る段階になって、何か口の中が、生ぬるいもので一杯になっているのでした。何かどくどく感が、してきました。なんと口の中は、血の海、初めは、寝てれば止まるかなーの楽観視。ふとやばい予感が,出血多量,失神、意識不明、心臓が驚き、驚き死。こんなストリーが、一瞬浮かび、嫁さんをたたき起こし緊急病院。
緊急当直医、婆で私は、耳鼻咽喉科の医者だから何もできないと慌てふためき、何しろ何もやりたがらないし、触らない。らちが明かず、24時間の歯医者に緊急配送
当直歯医者、これはこれで、口の中を掃除をして、これは、国立病院の緊急に行けと診断書を持たせてお役御免。何しろ貧血だけは、避けたいと、血を口から吐き出さずに飲んで、蛇の生血じゃないけど、体の栄養に持ってこいだろうと飲んだんだけど、あとで考えると果たして効果は、あったかは疑問です。ただ糸で縫って血が止まるまで2時間ありその間、バンバン出血していたので、失神手前まで言っていたのは確かです。でもこんな時って体は、生かせるために必死の働きをしてたんだろうと思うと思わず体に感謝です。
最後は、PRINCES国立病院の緊急で、外科医が、こんなの大したことないとの表情で、縫い合わせて,様子見に1時間簡易ベッドで休憩、8年前に心臓のバイパスのオペをしていて、血液アンチ凝固剤の錠剤を常用しているので、余計血液が出たとのことでした。たったの数時間に3件の医療機関に行き、どうにか、血液を止めることができました。この外科医、私をスペイン語、解釈ゼロと思ったのか、最後に、動脈切ってるなの捨て台詞が、独り言にしては、大きい声で吐き出しました。歯医者への蔑視だったのかは、判りませんが、その一言は妙にプロの職業意識を感じさせる胸に響く一言でした。
良い経験をさせていただきました(この辺が私のいい所ですべてをプラス要因と考える)。頬は腫れてフクスケの形相.オペ、薬、そのあとの腫れ、体に無理のある治療をしているんだと納得させられました。このダメージのつけは必ず帰ってくるだろうが、生身の私の体から得た教訓でした。
追記
世の女性の執念の整形はやはり命がけなんだともふとふと思いました。くわばら,くわばらの秋の兆し日の貴重な経験でした。