2023年5月6日7日の両日、イタリアのローマで、アルベルトポリドリ指圧学院の主催による、イタリアローマ指圧大会が開催されました。
この大会は、塾Shiatsupractorの塾長である小野田茂指圧師が、ヨーロッパにおいて1984年より、今現在までの約40年間の指圧普及の一区切りを記念することと、3年に及ぶ武漢ウイルスによる業界の大打撃の再復興のスタートとして、ポリドリ指圧学院の校長先生であるアマデウ先生と副校長のアンドレス先生が音頭を取り開催されました。
2020年の春から始まった武漢ウイルスの猛威は、3年間に及び、全世界の経済活動及び、人の移動を極端に制限させました。ヨーロッパでの、私たち手技療法(指圧)業界も決して例外ではありませんでした。
そんな中において、ヨーロッパで一番の指圧の歴史、そして指圧活動の活発である、イタリアの指圧界も決して例外ではありませんでした。
大橋渉先生のOoha指圧、増永禅指圧、遠藤先生のタオ指圧,沖指圧、呉竹指圧、佐々木先生率いる増永先生系の医王会、岸先生の生気指圧等、色々な流派の指圧が群雄割拠するイタリアです。
その中において、イタリアのヨーロッパ指圧浪越のインストラクターの先生方も正しい指圧の普及に、全力を注いできました。
ちなみに今現在イタリアは、約20人のインストラクターが、治療の合間をぬって、後進の指導をしています。
私も在西40年間にわたり、寺子屋もどきの指圧學校をスペインに開校して孤軍奮闘してきましたが、いかんせん、増永先生の理論を謳う禅指圧が、いまだに全体の80パーセントを占めている現状がヨーロッパにあります。
特にオランダでは、浪越卒業生の佐々木先生が、増永指圧を着実にオランダ人に伝授させています。
フランスでは、呉竹指圧の岡本先生が頑張っています。
ここで、理解していただきたいのは、欧米人と日本人の身体は、根本的に異なるという事です。食養や、環境の違いの歴史を通じて、こうも変わるのかと思うほど刺激量、ポイントの調整が必要となります。ここに住んで、ここで暮らして、体を触り、試行錯誤した結果、こちらの人の治療が、可能となります。
少なくても一年で2000時間ほど、患者さんを治療して5年ぐらい続けて10000時間、この位、患者さんを触りどうにか食っていけるといった現実が待っています。
パイロットの飛行時間が20000時間飛行で一人前のように、指圧も20000時間すなわち10年ほど、続けて、やっとプロと言えるという事です。
ヨーロッパの指圧の歴史が60年ほどあります。地元の指圧師も20年、30年のベテランがうじゃうじゃいます。
冗談抜きでヨーロッパの指圧の本物は半端じゃありません。
少なくても海外で働きたい若者がいれば、ヨーロッパに関していえば、指造りを3年ぐらい日本でして、腰痛と寝違いぐらいは、完璧に処理できる技術を持ってから海を渡ってほしいと願っております。最初は威勢のいい啖呵が聞こえたのにいつの間にか日本に逃げ帰った輩を随分見ているもので、親心、母心の一言を述べさせていただきました。
話を元に戻して、この3年のコロナの間にヨーロッパの指圧勢力地図は、まったくもって変わりました。廃業団体が続出したのは、どこの国でも同じなはずです。
そんな中、3年ぶりの指圧セミナーとなりました。今回は、イタリア全土から約60人の指圧師に、参加していただき主に指圧と伸展法を取り入れての骨盤調整を伝授しました。
大腰筋の左右のバランスをとることにより仙腸関節のブロックをどう解放するかというテーマに絞り、2日間のレッスンをしました。
今世界は、スマートフォン症候群の患者であふれています。グローバル社会といわれる昨今、全世界同時に起こっている問題で最終的には、精神的な疾患に結び付く疾患として、ますます指圧の適応症として、注目を浴びてきています。
Covid明けの世界に再び、後遺症対策の助っ人マンとして指圧を再び注目されるべき呼び水としてこの大会をあえて開催しました。
開催側の健闘をもってセミナーは、マスコミにも紹介されて指圧ここにありと大合唱が響き渡りました。
これからも、この大会を再第一歩として各国のオーファーに俊足に受け答えるべき体制を整えることが必要とこの大会を通じて特に感じました。
Covidの後遺症の対応や精神的疾患への指圧の役割をひしひしと感じる昨今、ヨーロッパの指圧は再び動き出しました。
追記
大会終了後の2日目の午後、イタリアのインストラクターが集合して、団結の会合が開催されました。
塾Shiatsupractor
塾長
小野田茂